人間の身体について考えてみましょう。全体を包む皮膚は外界から身を守り、骨格は個体を形作っています。骨格系は筋肉系と深く結びつき、緻密に連携し身体を動かしています。血管やリンパ管を交通網のように構成するのは脈管系です。中枢神経、脳脊髄神経、自律神経の末梢神経などの神経系は、まるで通信網のように身体の隅々まで張り巡らされています。さらには、内臓と呼ばれる呼吸器系、消化器系、泌尿器系、生殖器系など、様々な組織が複雑に関係し合って人体が成り立っています。
組織を動かすのは、大脳から各組織に向かってはりめぐらされた神経です。組織を動かすために必要となる栄養と酸素は、消化器と呼吸器からそれぞれ取り入れられています。動脈血がそれぞれの組織に栄養と酸素を送り、その酸素が、エネルギー代謝で産生された乳酸を二酸化炭素と水に分解します。静脈は分解された老廃物を回収します。
このような構造の中で、人間の身体は絶えず循環しながら機能しています。だから、人間の身体を部分ごとにバラバラに捉えたのでは、的確で十分な治療をすることができません。医学的検証にもとづき、人体の機能、構造、全体を的確にバランスよく視野に入れ、統合医療を根幹に治療を行う、それがPCTSの基本的な考え方です。